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皆さんが、役所や銀行で多少手間のかかるような手続をする時や、不動産の取引、相続問題などの際に、「司法書士」という言葉を耳にすることがあると思います。

でも、そもそも「司法書士って何をやる人?」「弁護士や行政書士と何が違うの?」そんな疑問をお持ちの方に、お答えします。

司法書士は法律的文書作成のスペシャリスト!簡易的な訴訟代理権も

司法書士を一言で表すと、「法律的文書作成のスペシャリスト」です。

また、「身近な法律問題を気軽に相談でき解決してくれる法律専門家」とも言えるでしょう。

司法書士の仕事は、「司法書士法3条」によって以下のように定義されています。

「裁判所や検察庁、法務局に提出する書類を作成し、登記・供託においては本人を代理して申請等を行う。また、認定司法書士であれば、訴訟額が140万円以下の簡易裁判所が管轄する民事事件で訴訟代理や裁判外和解の代理を行うことができる」参照:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO197.html

この定義をわかりやすく説明すると、司法書士は依頼人のために、一般の人では難しい裁判所や検察庁への法的な文書を作成し、又は、代理人となって法務局に申請等をすることによって、後日、紛争に巻き込まれないように、事前に権利を守ることを主な業務としています(紛争予防法務)。

また、一定の研修を終了し、認定を受けると(認定司法書士)、簡易裁判所(訴訟額が140万以下の紛争の解決を図るところ)の訴訟代理権を持ちます。例えば、「お金を返してもらえない」「お金を払えと言われて困っている」といった、身近な争いごとにおいて、弁護士同様の法的業務を行うことができるのです。

弁護士や行政書士との違い

争いごとを事前に防ぐことが主な業務の司法書士と違い、弁護士の主な業務は、すでに起こってしまった争いごとを、依頼人に代わって訴訟などで代弁したり、相手方と和解交渉したりして、解決に導くことです(紛争解決法務)。また、法律業務における全ての権限を持っているので、司法書士・行政書士の業務を行うことも可能です。

一方、行政書士は、官公署などの役所へ提出する書類作成(例えば、許認可申請、農地法の許可手続など)及び、権利義務関係の書類作成(各種契約書や遺産分割協議書など)を行います。そして、司法書士と行政書士とは、多少重なり合う権限はあるものの、大まかに言えば、司法書士のできる業務につき、行政書士には権限はなく、司法書士も行政書士の権限は持ちません。

それぞれの業務をまとめると以下のようになります。

 弁護士司法書士行政書士
全ての法務の代理
簡易裁判所(訴額140万円以下)における訴訟代理や相談
但し、認定司法書士に限る
債務整理の代理○ 但し、個々の債権者の債権額につき、140万円以下 
登記・供託の代理 
成年後見申立書類作成×
相続関係(相続人の調査、遺産分割協議相続放棄、特別受益、等)の書類作成及び登記、
協議離婚の際の離婚協議書×
内容証明書や契約書の作成○ 但し、下記業務の範囲内

司法書士って? 仕事内容や隣接士業との違い②に続く・・・

皆さんが、役所や銀行で多少手間のかかるような手続をする時や、不動産の取引、相続問題などの際に、「司法書士」という言葉を耳にすることがあると思います。

でも、そもそも「司法書士って何をやる人?」「弁護士や行政書士と何が違うの?」そんな疑問をお持ちの方に、お答えします。

司法書士は法律的文書作成のスペシャリスト!簡易的な訴訟代理権も

司法書士を一言で表すと、「法律的文書作成のスペシャリスト」です。

また、「身近な法律問題を気軽に相談でき解決してくれる法律専門家」とも言えるでしょう。

司法書士の仕事は、「司法書士法3条」によって以下のように定義されています。

「裁判所や検察庁、法務局に提出する書類を作成し、登記・供託においては本人を代理して申請等を行う。また、認定司法書士であれば、訴訟額が140万円以下の簡易裁判所が管轄する民事事件で訴訟代理や裁判外和解の代理を行うことができる」参照:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO197.html

この定義をわかりやすく説明すると、司法書士は依頼人のために、一般の人では難しい裁判所や検察庁への法的な文書を作成し、又は、代理人となって法務局に申請等をすることによって、後日、紛争に巻き込まれないように、事前に権利を守ることを主な業務としています(紛争予防法務)。

また、一定の研修を終了し、認定を受けると(認定司法書士)、簡易裁判所(訴訟額が140万以下の紛争の解決を図るところ)の訴訟代理権を持ちます。例えば、「お金を返してもらえない」「お金を払えと言われて困っている」といった、身近な争いごとにおいて、弁護士同様の法的業務を行うことができるのです。

弁護士や行政書士との違い

争いごとを事前に防ぐことが主な業務の司法書士と違い、弁護士の主な業務は、すでに起こってしまった争いごとを、依頼人に代わって訴訟などで代弁したり、相手方と和解交渉したりして、解決に導くことです(紛争解決法務)。また、法律業務における全ての権限を持っているので、司法書士・行政書士の業務を行うことも可能です。

一方、行政書士は、官公署などの役所へ提出する書類作成(例えば、許認可申請、農地法の許可手続など)及び、権利義務関係の書類作成(各種契約書や遺産分割協議書など)を行います。そして、司法書士と行政書士とは、多少重なり合う権限はあるものの、大まかに言えば、司法書士のできる業務につき、行政書士には権限はなく、司法書士も行政書士の権限は持ちません。

それぞれの業務をまとめると以下のようになります。

 弁護士司法書士行政書士
全ての法務の代理
簡易裁判所(訴額140万円以下)における訴訟代理や相談
但し、認定司法書士に限る
債務整理の代理○ 但し、個々の債権者の債権額につき、140万円以下 
登記・供託の代理 
成年後見申立書類作成×
相続関係(相続人の調査、遺産分割協議相続放棄、特別受益、等)の書類作成及び登記、
協議離婚の際の離婚協議書×
内容証明書や契約書の作成○ 但し、下記業務の範囲内

司法書士って? 仕事内容や隣接士業との違い②に続く・・・

司法書士の8つの業務内容

①からの続きです。

次に、司法書士の具体的な業務内容を案件の多い順に並べると、以下のようになります。

————————————————-

その①不動産の登記手続

その②相続問題、相続手続

その③企業法務や登記手続 

その④成年後見制度利用に関するアドバイスや具体的支援

その⑤債務整理に関する相談・解決

その⑥裁判所に提出する書類の作成及び訴訟代理人として依頼者の利益に応える

その⑦供託手続

その⑧筆界特定手続

————————————————-

では、それぞれの業務内容を詳しく見ていきましょう。

その①「大切な財産を守る!不動産の権利を守るための登記手続を行う専門家」

 司法書士は、土地や建物など不動産の名義や権利に変更があったときに、皆さんの代わりに登記申請手続を行う仕事をしています。
 例えば、ご自宅の不動産の売買や子供や孫に贈与したときの名義変更、身内の方亡くなられ、不動産を相続したときの名義変更、協議・調停・審判・裁判離婚をして不動産を財産分与したときの名義変更、住所や氏名が変わったときの住所氏名の変更登記、銀行でローンを組んでお金を借りたときの抵当権設定登記、銀行のローンを返済したときの抵当権抹消登記などがあります。

 勿論、単に登記を代理して行うだけでなく、すべての関係者の権利が満足するように登記に必要な書類や取引の内容を確認し、責任をもって登記申請を行っています。

 このように、司法書士は不動産に関する登記申請手続を行う専門家であり、不動産取引の安全と、国民の大切な財産である不動産の権利を守る重要な役割を担っています。

その②「相続問題、相続手続のエキスパート!」

身内の方が亡くなられた際には、故人の大切な遺産についての相続問題を解決します。例えば、誰がどの財産を相続するのか、相続人の調査などに伴う戸籍の収集や相続関係説明図の作成,話し合いの結果をまとめた書面である遺産分割協議書の作成を行っています。また、財産よりも負債の方が多い場合などに遺産を一切相続しない相続放棄手続や、そもそも財産関係が不明である場合にする限定承認手続、相続人の中に未成年者がいる場合の特別代理人の選任申立手続、相続人の中に行方不明者がいる場合の不在者の財産管理人の選任申立手続、遺産相続で争いになってしまった場合の遺産分割調停の申立手続などに必要となる、家庭裁判所に提出する書類の作成を行っています。これらの手続は、相続登記手続に付随する業務として、司法書士が行っています。

その③「会社や法人法務の専門化!企業法務や登記手続は、お任せあれ」 

世の中には、多くの会社や法人がありますが、新しい会社や法人を起こすには、法務局に行って、設立登記が必須です。また、設立後、本店や事業目的、役員、出資額などに変更が生じた場合には、その旨の変更登記を行い、会社や法人と取引する相手方の信用を維持しなければなりません。
 そして、司法書士は、依頼の趣旨に応じて、手続に必要な株主総会議事録等、各種書類を作成、代理して登記申請手続を行います。勿論、それだけでなく、例えば会社の設立であれば、どのような種類の会社にするか、会社運営の基本ルールを定めた定款の内容をどうするか、どのようなスケジュールで手続を進めていくかについても助言を行います。
 また、企業法務や組織再編、事業承継などの分野においても、主に中小企業の経営者の方からの相談に応じています。

 このように、司法書士は、会社・法人登記の申請手続や企業法務の専門家であり、会社を巡る取引の安全を実現する制度を支える重要な仕事を行っています。

その④「成年後見制度利用に関するアドバイスや具体的支援」

 成年後見制度とは、認知症や精神障がいなどの理由で判断能力が不十分となり、自分で介護施設への入所契約や、預貯金の預入、解約、遺産分割協議などを行うことが難しくなる場合があります。このような場合に、本人の財産を保護し,本人を支援する支援者を選任するもので、大きく分けて次の二つの制度からなります。

1 法定後見制度
 様々な事情により、判断能力が不十分となり、自らの財産を自らの判断で管理処分することが困難な方々のために、①管理する人(後見人)や、②保佐する人(保佐人)、③補助する人(補助人)を選任し、本人の生活や財産管理等を支援する制度です。
 上記の各支援者は、家庭裁判所で選任してもらいます。選任された各支援者は、家庭裁判所等の監督のもとで本人の支援を行います。

2 任意後見制度
 上記の「法定後見制度」は、「既に判断能力に衰えが見られる方」に利用される制度であるため、自らが望む後見人や支援の内容を選べないことがあります。そこで、将来の自らの財産管理等に不安があるような場合、自らの判断能力が十分なうちに、予め将来の後見人候補者や支援の内容を決めておくことができる制度が任意後見制度です。
 司法書士は、上記各制度の支援を全般的に行っています。具体的には、上記各制度に関する相談から、家庭裁判所に提出する申立書類等の作成のほか、司法書士が後見人、保佐人、補助人となることも多くあります。このように、法律的な支援が必要な方や、今後必要となる不安のある方、こうした方々のご家族等の支援に努めています。

その⑤「力強い味方!債務整理に関する相談・解決」

 債務整理とは、例えば何社もの消費者金融やクレジット・カード会社から借金をしてその返済ができなくなった方を対象に、これらの会社との個別交渉や裁判所への法的な手続を通じて借金の返済の負担を軽減し、経済的に立ち直るのを手助けする業務です。

その具体的の業務としては、

(1)任意整理
 貸主と交渉し、余裕のある返済が可能となるように、裁判外で和解を行います。
(2)不当利得返還請求(過払い金返還請求)
 利息を多く払い過ぎていたときに、裁判手続及び裁判外の交渉を通じて、払いすぎた金額の返還請求を行います。返還を受けた金額を他の債務の返済に充てることにより、総債務額を圧縮することができます。
※ ただし、「司法書士が代理人として行う業務」は、法務大臣による簡裁訴訟代理関係業務の認定を受けた司法書士が、簡易裁判所において代理することが認められた範囲(訴額140万円以下)に限り行うことができます。

その⑥「裁判所に提出する書類の作成及び訴訟代理人として依頼者の利益に応える」

 司法書士は、裁判所(地方裁判所、簡易裁判所、家庭裁判所など)に提出する書類を作成することを業務としています。裁判所に提出する書類とは、民事訴訟をするために必要な訴状や準備書面、民事調停を利用するために必要な申立書など、民事紛争に関するもののほか、相続放棄や成年後見に関する申立書など、家庭内の問題に関するものも含まれます。支払督促や強制執行にかかわる書類も作成します。

 また、法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所において取り扱うことができる民事事件(訴訟の目的となる物の価額が140万円を超えない請求事件)等について、当事者の代理人となって業務を行うことができます(簡裁訴訟代理等関係業務)。
※簡裁訴訟代理等関係業務とは、簡易裁判所における民事訴訟手続、訴え提起前の和解(即決和解)手続、支払督促手続、民事調停手続、少額訴訟債権執行手続や裁判外の和解交渉手続などについて代理する業務をいいます。

 簡裁訴訟代理等関係業務は、業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣が認定した司法書士に限り、行うことができるとされています。

その他の業務として、

その⑦「供託手続」
 例えば、大家さんが家賃を値上げすると伝えてきて、自分は今までの家賃が適正な金額だと思う場合、大家さんに従来の金額の家賃を支払っても、受け取ってくれません。また、大家さんが亡くなって、その相続人が誰だか分からない場合など、家賃を支払いたくても支払えない状況もあります。このような場合、その家賃を法務局に預けることで、一応は支払ったかたちにすることができます。この制度を供託といいます。このようなケース以外にも、様々な種類の供託手続がありますが、司法書士は、この供託手続を、本人を代理して行うことができます。

その⑧「筆界特定手続」

 お隣の土地と自分の土地との境界線(筆界)が明らかでないとき、法務局に筆界特定の申請をすることによって、正しい筆界を迅速に特定することができます。法務大臣の認定を受けた司法書士は、対象土地の価格が5600万円以下の筆界特定の代理人として、手続を行うことができます(筆界特定制度は、あくまで筆界の位置を特定するもので、土地の所有権がどこまであるのかを特定するものではありません。)

その⑨「外国人帰化申請手続」
 日本で生まれ育った外国人や、日本に永住したいと希望する人が日本国籍を取得するためには、法務大臣の許可が必要です。司法書士にご相談いただければ、帰化の手続の流れについて、わかりやすく説明し、必要な書類集めや作成方法についてもアドバイスをいたします。

まとめ

このように、司法書士の仕事は、本当に多岐にわたります。

冒頭、申し上げた、「身近な法律問題を気軽に相談でき、解決してくれる法律専門家」であることが分かっていただけたでしょうか。

司法書士は、日々、トラブルにならないよう、大切な財産や権利を守り、また、アドバイスが必要な多くの市民のサポートをしているのです。

それでは!

当事務所のホームページをリニューアルしました。

私達は、法律問題や法律手続で、お悩みの方や頑張っている方々のお力になりたいと思っております。引き続きよろしくお願い致します。

先日、人材派遣大手の「パソナグループ」が、本社機能を東京から兵庫・淡路島へ移転するというニュースがありました(https://news.livedoor.com/article/detail/18830956/)。

昨今のコロナウイルス感染症の影響により、事業や企業環境が大きく変化し、当事務所のクライアントの方や他の皆様から、大変多くのご相談をいただきます。

当事務所では、ご相談いただきました内容をもとに、迅速かつ積極的にご対応できるスキームを構築するとともに、隣接業種との連携をさらに強化し、専門的かつ総合的な対策の実現を図ってまいります。

引続き、よろしくお願いします。

事業者の方々に向けてお知らせです。会社の設立登記、本店移転登記の報酬を令和2年12月31日まで下記のとおりとします。

・設立登記(株式会社)   司法書士報酬 8万円➡4万円

・設立登記(合同会社)   司法書士報酬 6万円➡3万円

・本店移転登記(管轄外)  司法書士報酬 5万円➡3万円

・本店移転登記(管轄内)  司法書士報酬 3万円➡2万円

その他もご相談があればお気軽にお尋ねください。

これから会社(法人)をはじめようとするときに、起業される方が最初に行わなければならない法的手続が会社設立手続(設立登記)です。

司法書士は、会社登記の専門家であり、日々、会社(法人)の設立手続のお手伝いをしています。

そこで、今回は会社設立をご検討されている方々に向けて、検討段階から実際に手続をしていくことを念頭に説明していきます。

会社の設立!そのきっかけ

「会社を設立したい!」検討するきっかけは様々です。

例えば、消費税の課税事業者になった、利益(所得)が毎年400万円超えている、社会保険の観点から等があります。また、新規取引先の取引条件が法人限定だったり、許認可の申請や補助金申請のために法人化したいというご相談もあります。他にも、これまでの会社経験や人脈を活かして独立企業したいという方もおられます。新規事業のために新たに設立したい、あるいは、経営再建のために第二会社を設立したいという方もいます。

このように会社設立を検討するきっかけは様々なのですが、会社設立にはメリット、デメリットがありますので、以下でまとめてみました。

【設立(法人成り)のメリット・デメリット】

メリット ☞信用力の確保と節税対策の幅が広がるデメリット ☞事務負担と費用負担が増える
個人事業主より法人のほうが信用力がある事務負担が増える
社会保険に加入できる設立費や届出費用がかかる。税理士報酬等が上がり費用負担が増える
事業年度を自由に決められる赤字でも税金を払う
消費税の免税事業者になれる会社と社長は完全な別人になる
経費の幅が広がる給与の額を簡単にかえられない
その他、出張日当や食事代を一部経費にできたり、生命保険料のうち一定額を損金に算入できる 

・どんな会社にするか

次に、どんな会社にするかですが、会社法上、会社はその形態の違いで4つあり設立者の希望(経営ビジョン)に応じて選択していきます(設立後に異なる会社に変更することもできます=組織変更・種類変更)

【4つの形態とその特長】

形態特長
☆株式会社・社会的認知が最も高く信用力があるため取引先等にも安心してもらえる。 ・出資者(株主)の責任は間接有限であるため、 ➡資金調達がしやすく、大規模事業が可能になる(メリット) ➡役員選任義務や決算公告義務など義務が多い(コスト・手続のデメリット)
合名会社・出資者(社員)全員が無限責任(自己責任)を負うため、 ➡出資を募るのは難しく大規模事業には不向き(デメリット) ➡(自己責任の観点から)個人的信頼関係の中で事業を行うため、経営の柔軟性、自由度が認められる(株のような義務付けは少ない:メリット)
合資会社出資者(社員)のうち無限責任社員と有限責任社員を置くことができるため、合名に比べてリスク回避しやすい。メリット、デメリットは合名会社同様
☆合同会社平成18年の改正により新たに認められた会社の形態で、社会的な認知度はまだ低いが、株式会社と合名・合資会社(持分会社)のいいとこどり。 ➡出資者(社員)は間接有限責任 ➡経営の柔軟性、自由度が認められる

※ 有限会社は平成18年の会社法改正により廃止され、新たに設立することはできません。

既存の有限会社は整備法により特例有限会社として存続が認められています。

②に続きます・・・・

①の続き・・・

4種類の会社形態の中で、特にご相談の多い株式会社と合同会社の違いをもう少し説明します。

まず、認知度(信用力)は株式会社が圧倒的に高いでしょう。その反面、株式会社には法令上の義務付けが多いため、その分手続費用の負担が増します。一方、合同会社は、認知度(安心感)は低いものの、経営の自由度が認められているため義務付けが少なく手続や費用の負担を押さえることができます。

ゆえに、大手企業との取引が多いとか信用面を重視するのであれば株式会社、節税やコスト面を重視する場合には合同会社がいいでしょう。

【株式会社と合同会社の比較】

 株式会社(約260万社)合同会社(約7万社)
★知名度・信用度高い低い
★出資者の名称株主社員
出資最低人数1名(法人も可)1名(法人も可)
出資者の責任間接有限責任間接有限責任
定款作成設立時に必要設立時に必要
★定款認証手続設立時に必要(手数料5万円)不要
設立登記必要必要
★設立登記の登録免許税資本金×1000分の7(計算額が15万未満の場合は15万円)資本金×1000分の7(計算額が6万未満の場合は6万円)
資本金0も可(出資は1円以上必要)0も可(出資は1円以上必要)
★役員最低でも取締役(業務執行者)1名以上が必要。その他は、任意だが会社規模により監査役や会計監査人等の設置義務もある。不要(出資者である社員全員で経営を行うのが原則)。但し、業務執行社員を定めその者が業務執行を行うことも可能
★役員の任期原則として、取締役は2年内、 監査役は4年内に終了する最終事業年度にかかる定時株主総会終了時まで(非公開会社※は定款で最長10年内まで伸長できる)なし
★意思決定機関株主総会・取締役会・取締役社員総会・業務執行社員
★決算公告事業年度毎に必要不要

※ 非公開会社とは、すべての株式を対象に、株式譲渡(売買等)の際は会社の承認が必要となる定款の定めがある株式会社のこと

いざ、会社設立へ     (株式会社の設立手続)

株式会社の設立方法は、「発起設立」と「募集設立」の2つの方法(選択できる)がありますが、発起設立が一般的です。発起設立とは、設立時の出資のすべてを発起人(会社設立の企画者)のみで行う設立方法(設立時の株主は発起人以外いないということ)になります。

以下、一般的な発起設立の手続を前提に説明していきます。

手続全体の流れは以下のとおりです。

① 必要情報(定款内容・登記内容)の決定

② 必要書類等の準備と作成

③ 定款認証

④ 設立登記申請(=設立日)

⑤ 各種申請や届出

①必要情報の決定         (定款・登記)

 設立手続の中心は、(1)定款の作成と認証、(2)設立登記の申請です。

【定款とは:登記とは】

定款 定款とは、その会社の根本規範となるもので、活動範囲を定めるなど基本的なルールを定めたものです(人間に例えると身体の骨格・血肉)。ゆえに、会社は必ず定款を作成しなければならないのです。なお、株式会社は設立時に作成した定款につき、公証人から認証を受けなければ、定款として認められません。CF設立後の定款変更の際は認証はいりません。
登記   会社(法人)登記とは、商号(社名)や所在地、事業目的、資本金、発行株式数、代表者の氏名・住所等、取引上で重要な会社に関する事項を法務局に登録し、一般に開示できるようにすることで会社の信用維持を図るとともに安心して取引できるようにすることを目的としています(人間に例えると体面・姿・形)。  会社(法人)には、株式会社、持分会社(合同会社、合資会社、合名会社)、一般社団法人、一般財団法人、特例有限会社、NPO法人、専門資格者法人などがありますが、それらすべてが登記を行う必要があります(登記しないと法人格は認められません)。すなわち設立登記が会社(法人)の効力発生要件です(会社設立日=設立登記申請日)。そして、登記が認められることで、登記がされている証拠(公文書)として法務局から登記事項証明書が発行されます。登記事項は誰でも自由に閲覧できるため取引先の実態を確認するためにも有効な手段となるのです。

※ 定款と登記事項は重なるものもありますが、定款の記載事項のすべてが登記事項になるわけではなく、反対に登記事項のすべてが定款記載事項になるわけでもありません。

 設立手続では、これら定款や登記に必要な事項を検討し決定していきます。特に重要な事項は、次の5つです。

商号(会社名)

 商号選定の際には、登記上又はその他の規制に注意しなければなりません。登記上の規制としては、①商号使用文字規制があります。例えば、使用禁止文字として、ギリシャ文字(「α、β、γ」等)、括弧記号(「()」)、銀行と誤認されるおそれのある文字、等があります。その一方、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字(大文字及び小文字)、アラビア数字と、一定の符号(「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「-」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点))は認めらています。。

【商号例】

・株式会社バンク➡×

・株式会社株式会社タカギ.ミュージック1973➡〇

・株式会社TAKAGI.MUSIC.JAPAN(1973)➡×

・株式会社ギュギュギュギュギュイーン➡〇

・株式会社自転車創業➡〇

  もうひとつ、②同一商号、同一本店所在場所の登記はできないという登記上の規制があります。

【例:商号:株式会社大門本店:港区芝大門1-1(大門ビル5階が所在場所だがそこまで登記されてない)が既に登記されている場合】

・商号:株式会社大門、本店:港区芝大門1-1大門ビル2階➡×

・商号:大門株式会社、本店:港区芝大門1-1➡〇

・商号:株式会社大門、本店:東京都港区芝大門1-2➡〇

 以上が、商号選定に関する登記上の規制になります。それ以外は、基本的に自由に選定できますが、商標法や不正競争防止法の観点から、他社の権利を侵害する恐れがないかどうか注意してください(特許情報プラットフォームやインターネット検索をして事前に調べておく必要があります)。

③に続きます・・・